自分に合った投資のポートフォリオを作成するポイントは?金融のプロが解説
不動産投資はある程度の金額を頭金として銀行ローンを活用することで、プラスの家賃収入を期待することが可能です。仮に上記のポートフォリオを1,000万円の資産額で作成すると、不動産投資の部分は500万円になります。
3-2 ミドルリスクミドルリターン(目標リターン4%)
ミドルリスクミドルリターンのポートフォリオ例
ソーシャルレンディングや株式は経済環境が良好な局面ではリターンが期待できますが、将来もし経済環境が悪化した場合には損失リスクが高くなるので、資産に取り入れる場合には、複数の銘柄への分散投資を徹底しましょう。
3-3 ハイリスクハイリターン(目標リターン6%)
ハイリスクハイリターンのポートフォリオ例
債券の代わりに、リスクオフの局面でリターンが良好になる傾向を持つ金を組み入れました。金もハイリスクハイリターンの資産ではありますが、株式とは値動きの特徴が異なるので、ポートフォリオの経済変動への影響を緩和することが可能です。
リスクはリターンの敵 – リスクとリターンと複利の関係
これをさらに一期間、合計二期間あずけたらになります。
これをくりかえして、つごう 期間=1年間預けたら になり、これが に等しくなるわけです。
ここで、一期間を極限まで細かくする、つまり、 を限りなく大きくしたら がどうなるかを考えます。
を限りなく大きくする…、むかし数学の授業でやりましたね…。
リスクとリターンの関係 みたいなやつです。私もがんばって思いだしましたよ。
理由は自然対数(ネイピア数) の定義
とおくと で なので
であり、両辺を で割り、底が の対数を取ると
この が、一瞬の収益率(定期預金の場合は金利)、すなわち、連続複利収益率(定期預金の場合は金利)リスクとリターンの関係 リスクとリターンの関係 です。
説明では を年利としたので、このときの は「年利 %の、連続複利(年利)」になります。
を1ヶ月の金利(収益率)にすれば は対応する連続複利(1ヶ月)になるわけです。
連続複利収益率が正規分布だといろいろつじつまがあう
株式を持っていたとき、それが紙くずになる可能性はありますが、追い打ちでお金を要求される事態にはなりませんよね。
連続複利収益率をつかうと複数期間の計算が楽になる
連続複利収益率 の概念を使うと、複利を簡単に扱えるようになります。
ここでも、リスクのない年利 %の定期預金で考えます。すると、先に見たように1年後の金額は
1年後の金額は なので2年後の金額はです。これを繰り返していくと、 年後の金額は になります。
同じことを連続複利収益率で考えると1年後の金額は 、なので2年後の金額は です。これを繰り返していくと、 年後の金額は になります。
の 乗が の 倍になったのが、かけ算が足し算になっている部分です。
連続複利収益率が正規分布するということ
連続複利収益率を とすると、リスクはこの の変動によりもたらされ、その の変動が正規分布に従うということです。
つまり、 の分布の平均を 、標準偏差を (分散は )とすると、 は正規分布 に従う確率変数であるということです。
こう書くととても難しく感じるかもしれませんが、リスク資産の毎年のリターンは変動するけど、それは連続複利収益率 が正規分布 に従って変動した結果である、と考えるといろいろ簡単に考えられる、ということです。
ここで、リスク資産の期待リターン とリスク=標準偏差 (分散は )と、 リスクとリターンの関係 の正規分布のパラメタ の関係を見てみます。ここの関係を理解するのが少々ややこしいのです。イーノさんの記事でも、この部分が難しく苦労したとあり、数式の導出が省かれているところでもあります。
対数正規分布 指数の世界と現実の世界を結ぶ道具
対数正規分布は「確率変数の対数をとった値が正規分布に従うような分布を対数正規分布という」と定義されます。
元本 円を、年利期待リターン で1年運用した後の金額です。リスク資産ですから、この1年運用後の金額は変動するということ。つまり が確率によって変わる値、確率変数です。
この確率変数 の対数を取ると リスクとリターンの関係 になります。
あれ?どこかで見たことがありますね…そう。連続複利収益率 を求めるときに出てきました。
つまり、 は確率変数 の対数であり、しかも正規分布 に従うのです。
ここまでわかったことの合わせ技で、 は正規分布 に従い、 は対数正規分布 に従うということがわかります。
を で表現する式の導出
また対数正規分布 に従う確率変数 の平均 が
分散 が
は対数正規分布 に従い、結果の平均が 、標準偏差が (分散は )であること。
これら三点を利用すると、リスク資産の期待リターン ・リスク=標準偏差 (分散は )と、 の正規分布のパラメタ を結びつけることができるようになります。
を で表現することを目指すわけです。
これができると、普段よく目にする年率の期待リターン・リスクから、「連続複利収益率が正規分布する」の考えに基づいた運用結果の分布を求めることができるようになります。
対数正規分布 に従う確率変数 の平均 、分散 リスクとリターンの関係 の特徴から
の両辺を2乗すると
これで について解くことができました。
を代入して
これで について解くことができました。
まとめると と の関係は
になります。
リスク資産の複利と分布 期待リターンとリスクから分布を求める公式
「連続複利収益率をつかうと複数期間の計算が楽になる」と「連続複利収益率が正規分布するということ」を組み合わせると、リスク資産の複利について考えることができます。
「連続複利収益率をつかうと複数期間の計算が楽になる」では、 年後の金額が
これらを組み合わせると 年後の結果の分布は
正規分布 の 倍というのは、独立な正規分布 を 回足し合せた分布です。
正規分布を足し合せた結果、すなわち、正規分布の和は、正規分布に従い、その平均は元の分布の平均の和、分散も元の分布の和となることが知られています。考えてはいけません。そういうことなのです。
つまり、 を正規分布 に従う確率変数、 を正規分布 に従う確率変数としたとき、確率変数 は正規分布 に従うということです。
これより、正規分布 の 倍は正規分布
これで、リスク資産の期待リターンとリスクの年率から、 年後の運用結果の分布を求めることができるようになりました。
大事な公式なので、再度まとめておきます。
元本 円、リスク資産の年率の期待リターン %・リスク %(分散は )を 年間運用した結果の分布は
ここで、
表計算ソフトでの計算方法とグラフの描き方
Excelなどの表計算ソフトを使うと、対数正規分布 の確率密度や、累積確率を簡単に求めることができます。
対数正規分布の関数はLOGNORM.DIST(x, 平均, 標準偏差, 関数形式)です。
平均には、対数正規分布のパラメタの平均、すなわち、連続複利収益率 の平均を入力します。 年後の分布であれば になります。
標準偏差には、対数正規分布のパラメタの標準偏差を入力します。 年後の分布であれば になります。
これまでの議論では、分散で扱っていましたが、Excelでは標準偏差なので分散 の平方根をとって になっていることにご注意下さい。
累積確率のグラフを書くと、だいたいどのくらいの確率でいくらになるかを見ることができますが、厳密に計算したい場合は、対数正規分布の累積確率の逆関数LOGNORM.INV(y, 平均, 標準偏差)で計算できます。累積確率の逆関数というのは、累積確率のグラフの縦軸(つまり確率)の値を指定して、対応する横軸の値(つまり金額)を求める関数です。
おわりに、ではなく、これがはじまり
この記事では、連続複利収益率が正規分布正規分布する、という金融工学の考え方をもとに、リスク資産の期待リターンとリスクから、任意の期間後の運用結果の分布を求める式を手に入れることができました。
投資ポートフォリオのリスクとリターン Portfolio Risk and Return
マネー・マーケット 投資ポートフォリオのリスクとリターン
投資ポートフォリオのリスクとリターン Portfolio Risk and Return
ポートフォリオ理論 Portfolio Theory
キーとなるのは、投資ポートフォリオは分散投資(diversification)されることである。分散投資の概念は、リスクを減少させるような証券を組み合わせることである。多種多様の金融商品を組み合わせることで、市場価格の変動の方向性を正反対に向かせるようにすることができる。
ある金融商品の市場価値が減少すると同時に、別の金融商品の市場価値が増大することで損失を相殺することが可能になる。例えば、景気循環株(cyclical)への投資をディフェンシブ株への投資と組み合わせることである。
資産配分(asset allocation)は、投資ポートフォリオの中で、最良のリスク・リターンのトレードオフの状態を実現するために多種多様の金融商品を組み合わせて、選び出すプロセスそのものである。
十分な数の金融商品への投資とは、分散投資によるベネフィットを十分に引き出すことができるだけのバリエーションを有する投資である。そうした分散投資は、特に、「完全な分散投資(fully diversified)」とか「効率的な投資ポートフォリオ(efficient portfolio)」という風に呼ばれる。
個々の金融商品が有するリスクは分散投資により軽減できるものであり、分散可能リスク(diversifiable risk)、アンシステマティック・リスク(unsystematic risk)、非市場性リスク(non-market risk)と呼ばれるものである。
特定の種類のリスクは分散化でも減少させることはできない(より厳密な表現をするなら分散化することはできない)。市場リスク(market risk)やシステマチックリスク(systematic risk)は分散化で回避することはかなわず、分散不能リスクとして残り続ける。
資産配分 asset allocation
リスク | 金融商品 | 英語名称 |
---|---|---|
リスク最小 | 国債 | Treasury Bonds |
↑ | 一番抵当証券 | First Morgage Bonds |
↑ | 二番抵当証券 | Second Morgage Bonds |
↑ | 劣後債 | Subordinated リスクとリターンの関係 Deventures |
↓ | 毎年支払金確定保証債券 | Income Bonds |
↓ | 優先株式 | Preferred Stock |
↓ | 転換権付き優先株式 | Convertible Preferred Stock |
リスク最大 | 普通株式 | Common Stock |
ポートフォリオ理論における相関係数
一般的に、相関係数(coefficient of リスクとリターンの関係 correlation)は、二つの変数の関係を定量化したものだ。相関係数の大きさは二つの変数の連動性や関係性がどれだけ近いか(遠いか)を表す。
その定量化の根拠として、通常は過去の時系列における統計的データ(histrical data)を用いたものが計算されて使用される。より厳密にいえば、共分散(covariance)を求めることになる。共分散の値を、各変数の標準偏差の積で割ったものが相関係数となる。
相関係数は一般的に”R”、”r”で表され、プラスマイナスの符号と、0から1の間の数字を用いる。実際には、 -1 ≦ R ≦ +1 で表される。
【投資信託】リスクって何?リスクの種類とリターンとの関係をわかりやすく解説!
“ぼく”
投資信託を始めてみたいけど、損しないか心配。
どんなリスクがあるんだろう?
投資信託には元本保証がないので、どうしてもリスクは少なくありません。 リスクとリターンの関係
そこでこの記事では 投資信託のリスクにはどのようなものがあり何に注意すればいいのか、その目安をわかりやすく解説します。
“マニーハッくん”
投資信託をやってみたいけどリスクがちょっと不安な方はぜひ参考にしてみてね!
投資信託の代表的なリスクは6種類ある!
投資信託のリスクは、主に次の6種類が存在します。
・価格変動リスク
・為替変動リスク
・信用リスク
・金利変動リスク
・カントリーリスク
・繰り上げ償還リスク
価格変動リスク
投資信託ではプラスもマイナスもすべて 「リスク」 に含まれます。
為替変動リスク
為替レートが変動することにより影響を受けることを 「為替変動リスク」 といいます。
信用リスク
債権の利息や償還金を支払うことができなくなる可能性を 「信用リスク」 といいます。
金利変動リスク
債券の償還期限が長いほど、金利変動の影響を受けやすくなります。
カントリーリスク
対象国の経済や社会環境の変化のために、個別の事業とは関係なく株価や債券価格に影響を及ぼします。
繰り上げ償還リスク
ファンドの償還期限までまだ時間があるにもかかわらず、 純資産の目減りなどの理由により途中で償還されてしまうことがあります。
この場合は途中で運用を勝手に打ち切られてその時点の価格で強制的に払い戻しが行われるため、 計画通りに損益を確定させることができません。
投資信託のリスクとリターンの関係とは?
リスクを小さくしたい場合は、リターンもそれなりだと考えなければなりません。
なお、 それぞれの投資信託のリスクは投資信託説明書(交付目論見書)で確認することができます。
まとめ:自分のリスク許容度はどのくらいか把握しておこう!
最低限のリスクを知れば「どのくらい下がる可能性があるのか」を把握することができます。
また、自分の リスク許容度はどれくらいかを計算してから投資信託を始めた方が心理的負担も軽くなるでしょう。
“マニーハッくん”
自分に合った投資のポートフォリオを作成するポイントは?金融のプロが解説
不動産投資はある程度の金額を頭金として銀行ローンを活用することで、プラスの家賃収入を期待することが可能です。仮に上記のポートフォリオを1,000万円の資産額で作成すると、不動産投資の部分は500万円になります。
3-2 ミドルリスクミドルリターン(目標リターン4%)
ミドルリスクミドルリターンのポートフォリオ例
ソーシャルレンディングや株式は経済環境が良好な局面ではリターンが期待できますが、将来もし経済環境が悪化した場合には損失リスクが高くなるので、資産に取り入れる場合には、複数の銘柄への分散投資を徹底しましょう。
3-3 ハイリスクハイリターン(目標リターン6%)
ハイリスクハイリターンのポートフォリオ例
債券の代わりに、リスクオフの局面でリターンが良好になる傾向を持つ金を組み入れました。金もハイリスクハイリターンの資産ではありますが、株式とは値動きの特徴が異なるので、ポートフォリオの経済変動への影響を緩和することが可能です。
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