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ストックオプション

ストックオプション
東京証券取引所作成の「コーポレート・ガバナンス白書2021」 よりデータ抜粋(2020年時点)

ストックオプション

税制適格ストックオプション Quolified stock option
税制適格ストックオプションは、無償で交付されることや、権利行使期間がストックオプション発行に関する株主総会特別決議(付与決議)の日から2年以降10年以内であること、譲渡禁止であること、権利行使後の株式は証券会社などの金融機関が保管することなど、インセンティブ報酬としての実質を持つストックオプションを指します(租税特別措置法29条の2)。
税制適格ストックオプションについては、年間の権利行使価額が1200万円までの範囲について、権利行使によって株式を取得した時点では、権利行使によって取得した株式の時価と当該株式の取得原価の差額について所得税が課税されず、株式を売却したときに生じるキャピタルゲインに対して譲渡所得課税がなされます。
税制適格要件の詳細は以下のとおりです。
a ストックオプション ストックオプション 付与対象者が下記の者であること(ただし、大口株主(未公開会社の場合1/3超)及び大口株主の特別関係者を除く。)
・取締役、執行役及び従業員
・議決権の50%超を保有する子会社の取締役、執行役及び従業員
b 無償で発行されたものであること
c 新株予約権割当契約において次の要件が定められていること
・年間(暦年)権利行使可能額が1,200万円までであること
・譲渡が禁止されていること
・権利行使時の新株の発行又は株式の移転が会社法に定める手続に基づいて行われること
・権利行使可能期間が付与決議の日後2年を経過した日から10年を経過する日までであること
・付与契約締結日の時価以上の権利行使価額が定められていること
・権利行使により取得した株式について発行会社と証券会社又は信託銀行との間で一定の管理信託契約を締結し、当該契約に従い一定の保管の委託又は管理等信託がされること
d 権利行使時に会社に対して誓約書等の提出をすること(権利者が、新株予約権を権利行使する際、新株予約権の付与決議の日において発行会社の大口株主及び大口株主の特別関係者に該当しないことを誓約した書面・新株予約権の行使日の属する年における当該権利者の他の新株予約権の権利行使の有無(他の権利行使があった場合には、当該行使に係る権利行使価額及びその行使年月日)を記載した書面を発行会社に提出するともに、発行会社は当該書面を保存すること(租特法第29条の2第3項4項)
なお、発行会社は、新株予約権等の付与に関する法定調書を、その付与をした日の属する年の翌年1月31日までに、税務署長に提出していること (租特法第29条の2第5項7項)が必要となります。

税制適格オプションの使い勝手の悪さへの対応(非有利発行・非役務対価型新株予約権のストック・オプションとしての活用)
親会社,未上場会社の発行済み株式の3分の1超を保有する株主(大口株主),特許を提供しているが役員となっていないファウンダー,出資だけでなく様々な支援を行うエンジェル,および顧問や請負の形態でベンチャー企業を支援する外部の専門家は,税制適格ストック・オプションの付与対象者となることができません。
そこで、税制非適格でありながら、税制適格と同じ結果になるストック・オプションはないものか?が検討されるようになりました。
もともと証券市場で一般投資家向けに発行されるストック・オプションは給与所得の範疇ではありません。そうすると、そのような役務対価性のない有償のストック・オプションであれば、給与課税の範疇外となり、税制適格同様のキャピタルゲイン課税となると考えられるようになりました。
役務対価性がないことは、モンテカルロシュミレーション、二項モデル、ブラックショールズモデルなどによって公正に評価された付与価格(非有利発行・非役務対価型)に相当する現金を対価とすることによって担保します。このため、役務対価性のないストック・オプションの場合、その権利行使時には課税されず,権利行使によって取得した株式を売却したときに売却価格と権利行使価格の差額に対して譲渡所得課税がなされることになります。
このような評価モデルが要素として用いる指数のうち,任意に設定できる項目は,権利行使価格と権利行使期間です。
権利行使価格を現在の株価よりも高く設定し,かつ,権利行使期間を短縮することによって,オプション価格をより低廉な金額とすることができます。例えば、以下のとおり。
① 原資産価格(S) 20,000 20,000
② オプションの権利行使価格(K) 20,000 40,000
③ 権利行使期間(t) 10年 4年
④ 見積株価変動率(σ) 60% 60%
⑤ 無リスクの利子率(割引率r) 1% 1%
⑥ ③の期間における見積配当額(D) 0 0
オプション価格 10,200円 2,730円

ストックオプションとは? 仕組みやメリット・デメリット、権利行使時のポイントを解説!

ストックオプションとは、 株式会社の従業員や役員が権利を行使できる期間(権利行使期間)内に、事前に決められた価格(権利行使価額)で会社の株式(自社株)を 購入できる権利 のことを言います。購入できる期間や数量にも一定の規定はありますが、その期間・範囲内ならストックオプション付与の対象者は好きな時に自社株を購入できる仕組みです。一般的に権利行使価額は、ストックオプション発行時の株価より低く設定されています。また、権利行使の開始期間を数年後に設定するケースがみられます。

ストックオプションを付与された従業員・役員にとっては、企業業績を拡大させて株価を上げることができれば、ストックオプションを行使し、取得した株式を売却した際に多額の報酬を手に入れることができます。業績アップへの努力・貢献が自己の利益に直接反映されるため、 従業員・役員のモチベーション向上 につながります。これがストックオプションを活用するメリットの1つです。また、自己資金で直接株式を購入するより リスクが少ない ほか、付与対象者や行使期間などに関する厳しい適格要件を満たすことで税制優遇措置を受けたストックオプション(税制適格ストックオプション)については、権利行使・株式売却で得られた利益に対する 税負担の割合(20.315%)が一般的に給与所得の税負担(最大55%)と比べて軽い 点もメリットです。

業績拡大とそれに伴う株価上昇が権利行使のモチベーションとなるストックオプション制度は、現時点で資金力がなく高額な給料を払うことが困難な スタートアップやベンチャー企業を中心に導入が進んでいます。 東京証券取引所がまとめた「 コーポレート・ガバナンス白書2021 」によると、ストックオプション導入企業は東証上場銘柄全体の31.7%(2020年時点)ですが、東証マザーズ銘柄(現在の東証グロース銘柄に相当)は85.0%が導入。「連結売上高別にみると、連結売上高が少なくなるほどストックオプション制度を導入している比率が高くなっている」(東証)といい、 新興・中堅企業がより導入する傾向 にあることが見て取れます。

ストックオプション制度を導入する上場企業の割合

東京証券取引所作成の「コーポレート・ガバナンス白書2021」 よりデータ抜粋(2020年時点)

ストックオプションを行使したほうがよいタイミングとは?

ストックオプションを行使するのにベストなタイミングとはどういう時でしょうか。もちろん、 自社の株価が権利行使価額を大きく上回った時 でしょう。株価が権利行使価額を大きく上回ったタイミングでストックオプションを権利行使し、取得した株式を売却することができれば大きな利益を得られるからです。

例えば、ある従業員が「1株当たり権利行使価額1000円で1000株まで購入可能、権利行使期間は1年後から5年間」というストックオプションを会社から付与されたとします。

同オプションが付与された後、1年後の権利行使期間が到来しました。その間、会社の業績は順調に拡大し、株価も堅調に推移する中で株価は5000円に到達したとします。そこで、その従業員がストックオプションの権利を行使(=1000円で1000株を購入)し、株式市場で取引されている5000円で売却した場合、「1株4000円の利益×1000株」で 合計400万円の利益(税抜き)を得られる計算になります。 権利行使期間の5年内にさらに株価が上昇し、そのタイミングで株式売却を行えばさらなる利益を獲得することができます。

ストックオプションの仕組み

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ストックオプションの行使で注意すべき点は?

1つはストックオプションが付与された後、 株価が下落した場合 です。先に述べた通り、株価が上昇し、権利行使価額を大きく上回る状況になれば権利行使により多額の利益が獲得できる可能性が高まる半面、業績が振るわず、株価がそれほど上昇しなかったり、低迷してしまったりする場合には利益を得るチャンスを失ってしまいます。株価が下がった場合、 ストックオプションの権利を行使しなければ損をすることはありませんが 、インセンティブ報酬の側面があるストックオプションのメリットが失われてしまうのです。会社の不正発覚など従業員の努力とは別の要因で株価が大きく変動(下落)する可能性もあるため、自社に関連するニュースは常にチェックすることが重要です。

ストックオプションの付与は、会社の企業価値向上に貢献し、その結果として自社株式の売却に伴う利益を得るインセンティブ報酬のため、オプションを行使する際に付与した会社(もしくは子会社)の役職員であることが行使条件として定められることが一般的です。そのため、 退職した場合はストックオプションの権利が失効する 場合がほとんどです。

また、先のストックオプション行使の例でも述べた通り、 権利行使期間が決まっている 点にも注意しましょう。一定期間の範囲内でないと権利を行使できないため、とりわけ該当期間の自社の業績や株価動向はストックオプションを行使するか否かを決定する際の重要なポイントになります。そのため、 自社の適時開示情報 は常に注意深くチェックしておくことが欠かせません。

適時開示情報とは、株式の投資判断に重要な影響を与えうる企業の経営上の重要な情報・内部情報について、一般投資家に対して正確性に配慮しつつ速報性を重視して適時・適切に公表するものです。適時開示情報には、決算情報に加え、新株式の発行や自己株式の取得、株式分割、合併、業務提携・解消、災害に起因する損害や訴訟の提起、大株主の異動など様々な情報があります。いずれの開示情報も、 株価の変動要因となりうる大きなイベント になる可能性があります。各情報をチェックすることで、ストックオプションの行使期間内における権利行使の有無や株式を取得した場合の売却タイミングを掴める重要な材料になります。

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ストックオプション、企業側のメリット・デメリットは?

まず、 優秀な人材を確保しやすくなる 点が挙げられます。ストックオプションは将来的な株価の値上がりが大きな報酬につながるため、優秀な人材にとっては魅力的な報酬制度の1つになります。現時点で資金力が乏しい新興企業などにとっては、 人件費を抑制しつつ従業員に高いインセンティブを与えられる という点もメリットです。従業員のモチベーションが上がることで、企業価値の向上を目指すという 一致した目標を会社側と従業員が共有できる 点も見逃せません。また、従業員が自己資金で自社株を購入する場合と違って、ストックオプションは株価が下落した際も権利を行使さえしなければ損失が出ないため、企業側も導入しやすい報酬制度の1つといえそうです。

半面、デメリットは何でしょうか。1つは 業績悪化に伴う従業員のモチベーション低下のリスク です。ストックオプションは将来的な株価上昇で多額の報酬を獲得する仕組みです。業績悪化で株価が下落することになれば、ストックオプションの将来的な行使を目的に入社した従業員や役員にとってはその会社で働くモチベーションの低下につながりかねません。ストックオプションを付与されている従業員・役員と、そうでない従業員・役員が混在している場合も、 報酬に関する格差拡大につながりかねない 点でリスク要因になりうるでしょう。また、ストックオプションの権利行使が入社の大きなインセンティブになっている場合、 優秀な人材が実際に権利を行使して多額の利益を得た後は会社を辞めてしまうリスク があります。

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ストックオプションとは株式を購入する権利 のことを指しています。

  1. 税制非適格オプション⇒適格要件をクリアしていないもの
  2. 税制適格オプション⇒税制の適格要件を満たしているストックオプション
  3. 有償ストックオプション⇒付与された者がお金を支払い、ストックオプションを受け取る

2.税制非適格ストックオプションの税金

「税制適格と比べて取り分に変化はあるのか?」もちろん取り分は多い方が良いので、この点は気になりますよね。

結論から言うと、 税制非適格ストックオプションの場合は二重で税金が課される ため、税制適格ストックオプションと比較すると取り分が減ってしまいます。

(1)課税のタイミング

時期 課税対象 種類 税率
権利付与時 課税無し
権利行使時 権利行使時の株価-権利行使価格 給与所得 45.95%(最高税率)
株式売却時 売却額-権利行使時株価 譲渡所得 20.315%

※「給与所得」は総合課税として最高税率が45.95%、「譲渡所得」の場合は20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)を使用します。

譲渡所得
5,000円-4,000円=1,000円(譲渡所得)
1,000×20.ストックオプション 315%=203(税額)

※「給与所得」は総合課税として最高税率が45.95%、「譲渡所得」の場合は20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)を使用します。

3. 税制適格ストックオプションの税金

「税制非適格ストックオプション」に続いて、「税制適格ストックオプション」を見ていきましょう。

税制適格ストックオプションでは 株式売却時のみ課税 がなされ、所得区分は 譲渡所得 とします。

(1)課税のタイミング

税制適格ストックオプションの課税タイミングは株式売却時のみ、所得区分は譲渡所得です。

時期 課税対象 種類 税率
権利付与時 課税無し
権利行使時 課税無し
株式売却時 売却額-権利行使価格 譲渡所得 20.ストックオプション 315%

※「譲渡所得」は20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)を使用します。

上記の 「税制適格オプション」と「非税制適格オプション」の違いである、「課税タイミング」と「所得区分」の2点については間違えないように注意 をして下さい。

No165.1円ストック・オプションの課税関係

従業員の「退職金代わり」として活用するケースが多いです。
最近では、役員退職慰労金を廃止して「1円ストックオプション」を導入するケースも多くなっています。
「退職所得」に該当すれば、役員側は、安い税率で利益を得ることが可能です。
退職所得に該当するためには、「退職に基因して権利行使が可能」と認められなければなりません 。
事例として、「権利行使期間を退職から10日間に限定」し、退職時に行使した所得につき、「退職所得」と認められている事例があります(㈱伊藤園)。

(ご参考~個人側の所得税の課税区分)

ストックオプション
給与所得 下記以外
退職所得 退職に起因して権利行使が可能な場合
雑所得 退職後、長期間経過後に行使した場合など、主として「職務の遂行に関連しない利益」が供与されていると認められる場合

4. 税法上の取扱い

(1) 適格・非適格?

「1円ストックオプション」は、税法上の適格要件である「権利行使価格が付与時の時価以上」という要件を満たさず、「非適格」となります。
非適格ストック・オプションは、「権利行使時」に、法人側は損金算入され、従業員側は課税されます。
(詳しくは、ストックオプションと会計処理方法を参照ください)

法人側 従業員側
付与時 損金 × 課税されない
行使時 損金 ○ 給与所得・退職所得
譲渡時 損金 × 譲渡所得

(2) 付与対象者が役員の場合

ストック・オプションの付与対象が「役員」の場合、 「役員報酬の損金算入」の規定 に留意です。
税制改正により、 ストック・オプションは「役員給与税制」の対象となり 、他の金銭報酬同様の取扱いとなります。

ストックオプションとは? 仕組みやメリット・デメリット、権利行使時のポイントを解説!

ストックオプションとは、 株式会社の従業員や役員が権利を行使できる期間(権利行使期間)内に、事前に決められた価格(権利行使価額)で会社の株式(自社株)を 購入できる権利 のことを言います。購入できる期間や数量にも一定の規定はありますが、その期間・範囲内ならストックオプション付与の対象者は好きな時に自社株を購入できる仕組みです。一般的に権利行使価額は、ストックオプション発行時の株価より低く設定されています。また、権利行使の開始期間を数年後に設定するケースがみられます。

ストックオプションを付与された従業員・役員にとっては、企業業績を拡大させて株価を上げることができれば、ストックオプションを行使し、取得した株式を売却した際に多額の報酬を手に入れることができます。業績アップへの努力・貢献が自己の利益に直接反映されるため、 従業員・役員のモチベーション向上 につながります。これがストックオプションを活用するメリットの1つです。また、自己資金で直接株式を購入するより リスクが少ない ほか、付与対象者や行使期間などに関する厳しい適格要件を満たすことで税制優遇措置を受けたストックオプション(税制適格ストックオプション)については、権利行使・株式売却で得られた利益に対する 税負担の割合(20.315%)が一般的に給与所得の税負担(最大55%)と比べて軽い 点もメリットです。

業績拡大とそれに伴う株価上昇が権利行使のモチベーションとなるストックオプション制度は、現時点で資金力がなく高額な給料を払うことが困難な スタートアップやベンチャー企業を中心に導入が進んでいます。 東京証券取引所がまとめた「 コーポレート・ガバナンス白書2021 」によると、ストックオプション導入企業は東証上場銘柄全体の31.7%(2020年時点)ですが、東証マザーズ銘柄(現在の東証グロース銘柄に相当)は85.0%が導入。「連結売上高別にみると、連結売上高が少なくなるほどストックオプション制度を導入している比率が高くなっている」(東証)といい、 新興・中堅企業がより導入する傾向 にあることが見て取れます。

ストックオプション制度を導入する上場企業の割合

東京証券取引所作成の「コーポレート・ガバナンス白書2021」 よりデータ抜粋(2020年時点)

ストックオプションを行使したほうがよいタイミングとは?

ストックオプションを行使するのにベストなタイミングとはどういう時でしょうか。もちろん、 自社の株価が権利行使価額を大きく上回った時 でしょう。株価が権利行使価額を大きく上回ったタイミングでストックオプションを権利行使し、取得した株式を売却することができれば大きな利益を得られるからです。

例えば、ある従業員が「1株当たり権利行使価額1000円で1000株まで購入可能、権利行使期間は1年後から5年間」というストックオプションを会社から付与されたとします。

同オプションが付与された後、1年後の権利行使期間が到来しました。その間、会社の業績は順調に拡大し、株価も堅調に推移する中で株価は5000円に到達したとします。そこで、その従業員がストックオプションの権利を行使(=1000円で1000株を購入)し、株式市場で取引されている5000円で売却した場合、「1株4000円の利益×1000株」で 合計400万円の利益(税抜き)を得られる計算になります。 権利行使期間の5年内にさらに株価が上昇し、そのタイミングで株式売却を行えばさらなる利益を獲得することができます。

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ストックオプションの行使で注意すべき点は?

1つはストックオプションが付与された後、 株価が下落した場合 です。先に述べた通り、株価が上昇し、権利行使価額を大きく上回る状況になれば権利行使により多額の利益が獲得できる可能性が高まる半面、業績が振るわず、株価がそれほど上昇しなかったり、低迷してしまったりする場合には利益を得るチャンスを失ってしまいます。株価が下がった場合、 ストックオプションの権利を行使しなければ損をすることはありませんが 、インセンティブ報酬の側面があるストックオプションのメリットが失われてしまうのです。会社の不正発覚など従業員の努力とは別の要因で株価が大きく変動(下落)する可能性もあるため、自社に関連するニュースは常にチェックすることが重要です。

ストックオプションの付与は、会社の企業価値向上に貢献し、その結果として自社株式の売却に伴う利益を得るインセンティブ報酬のため、オプションを行使する際に付与した会社(もしくは子会社)の役職員であることが行使条件として定められることが一般的です。そのため、 退職した場合はストックオプションの権利が失効する 場合がほとんどです。

また、先のストックオプション行使の例でも述べた通り、 権利行使期間が決まっている 点にも注意しましょう。一定期間の範囲内でないと権利を行使できないため、とりわけ該当期間の自社の業績や株価動向はストックオプションを行使するか否かを決定する際の重要なポイントになります。そのため、 自社の適時開示情報 は常に注意深くチェックしておくことが欠かせません。

適時開示情報とは、株式の投資判断に重要な影響を与えうる企業の経営上の重要な情報・内部情報について、一般投資家に対して正確性に配慮しつつ速報性を重視して適時・適切に公表するものです。適時開示情報には、決算情報に加え、新株式の発行や自己株式の取得、株式分割、合併、業務提携・解消、災害に起因する損害や訴訟の提起、大株主の異動など様々な情報があります。いずれの開示情報も、 株価の変動要因となりうる大きなイベント になる可能性があります。各情報をチェックすることで、ストックオプションの行使期間内における権利行使の有無や株式を取得した場合の売却タイミングを掴める重要な材料になります。

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ストックオプション、企業側のメリット・デメリットは?

まず、 優秀な人材を確保しやすくなる 点が挙げられます。ストックオプションは将来的な株価の値上がりが大きな報酬につながるため、優秀な人材にとっては魅力的な報酬制度の1つになります。現時点で資金力が乏しい新興企業などにとっては、 人件費を抑制しつつ従業員に高いインセンティブを与えられる という点もメリットです。従業員のモチベーションが上がることで、企業価値の向上を目指すという 一致した目標を会社側と従業員が共有できる 点も見逃せません。また、従業員が自己資金で自社株を購入する場合と違って、ストックオプションは株価が下落した際も権利を行使さえしなければ損失が出ないため、企業側も導入しやすい報酬制度の1つといえそうです。

半面、デメリットは何でしょうか。1つは 業績悪化に伴う従業員のモチベーション低下のリスク です。ストックオプションは将来的な株価上昇で多額の報酬を獲得する仕組みです。業績悪化で株価が下落することになれば、ストックオプションの将来的な行使を目的に入社した従業員や役員にとってはその会社で働くモチベーションの低下につながりかねません。ストックオプションを付与されている従業員・役員と、そうでない従業員・役員が混在している場合も、 報酬に関する格差拡大につながりかねない 点でリスク要因になりうるでしょう。また、ストックオプションの権利行使が入社の大きなインセンティブになっている場合、 優秀な人材が実際に権利を行使して多額の利益を得た後は会社を辞めてしまうリスク があります。

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